外科

診療・各部門

2024年4月に髙田泰次院長が就任され2名の新しい外科メンバーが加わり、常勤医師6人態勢となりました。

当科では、地域の皆様が安心して安全で最新の外科診療を常に受けていただけるように日々努力しております。

外科病棟ではスタッフが毎朝一緒にカンファレンス・回診を行っており、患者様一人ひとりの病態について全員で治療方針を検討しております。また消化器内科とも密に連携をとっておりディスカッションを通して高いレベルでの診療の継続性の確保に努めています。関連学会や研究会等にも積極的に参加してそのガイドラインや規約、コンセンサスなどを遵守し、加えて多職種カンファレンスを定期的に持つことで、より円滑な診療とその水準の向上に努めています。

 1.消化器一般外科部門
胃癌、大腸癌などの消化器癌、肝癌、膵癌、胆石症などの肝胆膵疾患、鼠径ヘルニア、痔核、直腸脱などの良性疾患等、幅広い分野の手術に対応しております。また外来・入院化学療法も積極的に行っており、抗癌剤投与や在宅医療の為のリザーバーカテーテル留置なども行っています。

 2.乳腺疾患部門
乳腺良性疾患(良性腫瘍、乳腺症、炎症性疾患など)、悪性疾患(主に乳がん)を対象とし、病態に応じた治療を行っています。
乳がんの治療に関しては、術前化学療法にも取り組み、可能な限り縮小手術を施行しています。また、乳がん手術時の腋窩リンパ節に対しては、以前よりセンチネルリンパ節生検の手技を導入しており、手術侵襲の低減に努めています。
また、造影MRI、DWIBSなどの画像診断にも力を入れています。
併設の健康管理センターでは、乳がん検診として年間約2400件のマンモグラフィ検査(令和6年度実績2594件)、約1000件の乳腺超音波検査(令和6年度実績1262件)を施行しています。

 《当科の特色》
当院では腹腔鏡下手術による低侵襲手術を積極的に導入しており、できるだけ患者さんの体に負担が少ない手術を行っています。おなかを大きく開ける開腹手術に比べ、腹腔鏡手術では小さな傷から腹腔内で手術を行うことで、術後の疼痛が軽減され早期回復・社会復帰が可能となります。また、お臍一か所から手術を行う単孔式手術や、より細い繊細な機械で手術を行う細径腹腔鏡手術など、更なる低侵襲化にも取り組んでいます。これらにより美容面でも非常に優れた成果が得られます。

当科の2024年の腹腔鏡施行率は胃癌100%、大腸癌91.4%、胆嚢結石症98.5%と全国の腹腔鏡普及率に比べ高い水準です(2019年日本内視鏡外科学会アンケート調査によると胃癌61.5%、大腸癌77.6-84.3%、胆嚢結石症91.6%)。

  

また高度に進行した癌に対しては術前の抗がん剤治療などを併用した集学的治療を積極的に行っており、高いレベルでの手術を併用することで、以前は治らないとされていたような癌に対してもあきらめずに治療を行い根治が得られた症例も経験しています。

2020-2023年の当科の胃癌・大腸癌の全ステージにおける3年全生存率はそれぞれ76.1%、80.8%となっており、全国の成績に比べて良好です(胃癌70.1%、大腸癌72.9% がん診療連携拠点病院等院内がん登録より)。

~直腸肛門外来の開設について(2024年11月より)~

日本人の成人の3人に1人は痔に悩んでいると言われています。肛門の病気のために日常生活でかなりつらい思いをされている患者さんが多いにもかかわらず、専門とする医師はまだ少なく、また恥ずかしさもあり受診できない患者さんが多くおられます。

また本邦では大腸癌の罹患率が年々増加しており、男女合計では日本で最も多い癌であり、女性においては癌による死亡の1位、男性では肺癌に続いて2位となっています。さらに大腸癌の部位別では直腸癌が4割程度と最も多くなっています。現在大腸癌による死亡者数はアメリカよりも日本のほうが多いという逆転現象が起きており、その最大の理由は大腸癌検診の受診率の低さと言われています。大腸癌による死亡を減らすには、早期発見と適切な治療が必要になります。

このたび患者さんのニーズに応えられる地域に根ざした医療を提供できるように、直腸肛門外来を開設いたしました。一般的には肛門疾患は外来治療を行うことが多いですが、当院では外科的手術を含め入院での治療の対応も可能ですので、お気軽にご相談ください。

症状:肛門部の痛み、腫れ、分泌物。肛門出血、血便、腫瘍、脱出など。
対応疾患:痔核、痔瘻、裂肛、肛門周囲膿瘍、直腸脱、肛門ポリープ、大腸癌など。

診察日:毎週月曜日

診療時間:13時30分~15時30分

担当医:中村友哉

                                 

→直腸・肛門外来パンフレット

~鼠径(そけい)ヘルニア外来~

鼠径(そけい)ヘルニアは、脚の付け根(鼠径部)の部分がふくらむ、いわゆる「脱腸」と呼ばれる良性の疾患です。成人の鼠径ヘルニアは加齢に伴い鼠径部の筋膜が弱くなることを原因とし、それによりお腹の中の臓器が飛び出てくることで鼠径部がふくらみます。治療(手術)をせずに自然に治ることはありませんので、早めの受診が必要です。
ふくらみが急に硬くなったり、ふくれた部分が押さえても引っ込まなくなることがあり、お腹が痛くなったり、吐いたりすることもあります。これを鼠径ヘルニアの嵌頓(かんとん)といい、緊急で手術をしなければ、数時間で腸が壊死し(腸が腐る)、命にかかわることもあります。これは鼠径ヘルニアを放置しておくとなってしまう可能性があります。しかし、嵌頓時以外は待機的な手術の適応です。患者様の都合をふまえた上で手術治療を予定することが可能です。
「治療内容や治療スケジュールを聞きたい」はもちろん、「ちょっと話が聞いてみたい」などでも結構ですので鼠径ヘルニア外来を受診いただければと思います。尚、鼠径ヘルニアの診療は、通常の一般外来でも行っています。下記時間の都合がつかない方や、急な受診を希望される方は、一般外科外来を受診下さい。

診察日:毎週金曜日 

診療時間:13時30分~15時30分

                              

上記特殊外来の予約は地域医療連携室(TEL: 0743-53-1115)にお問い合わせください。

【当院外科の手術件数の推移】

医師紹介

院長 髙田 泰次  
日本外科学会専門医・指導医、日本消化器外科学会専門医・指導医、日本肝胆膵外科学会高度技能指導医、日本移植学会移植認定医、日本肝臓学会専門医・指導医、日本外科代謝栄養学会教育指導医、日本腹部救急医学会腹部救急教育医・腹部救急認定医、医学博士
専門分野      肝胆膵外科、肝移植
所属学会日本外科学会、日本消化器外科学会、日本肝胆膵外科学会、日本移植学会、日本肝臓学会、日本外科代謝栄養学会、日本腹部救急医学会、日本肝移植学会、日本臓器保存生物医学会、日本消化器病学会、日本臨床外科学会、日本肝癌研究会            
卒業年度昭和58年
外科診療部長 長田 博光
日本外科学会専門医・指導医、日本消化器外科学会専門医・指導医、医学博士
専門分野一般外科、消化器外科、肝胆膵外科
所属学会日本外科学会、日本消化器外科学会、日本肝胆膵外科学会
卒業年度平成11年
消化器外科診療部長 小森 淳二
日本外科学会認定医・専門医・指導医、日本消化器外科学会専門医・指導医、日本消化器病学会専門医、日本膵臓学会指導医、医学博士
専門分野   消化器外科、肝胆膵外科
所属学会日本外科学会、日本消化器外科学会、日本消化器病学会、日本膵臓学会、日本内視鏡外科学会、日本肝胆膵外科学会
卒業年度平成8年
消化器外科医長 金光 瑛彰
日本外科学会専門医・指導医、日本消化器外科学会専門医・消化器がん外科治療認定医、日本肝臓学会専門医、外傷初期診療研修(JATEC)終了、医学博士
専門分野消化器外科一般
所属学会日本外科学会、日本消化器外科学会、日本内視鏡外科学会、日本肝胆膵外科学会、日本肝臓学会
卒業年度平成15年
外科医長 西村 公男
日本外科学会専門医、日本消化器外科学会専門医・指導医・消化器がん外科治療認定医、医学博士
専門分野胃癌、乳癌、食道癌、大腸癌
所属学会日本外科学会、日本消化器外科学会、日本乳癌学会、日本内視鏡外科学会、日本食道学会
卒業年度平成15年
外科医長 中村 友哉
日本外科学会外科専門医・指導医、日本消化器外科学会専門医・指導医・消化器がん外科治療認定医、日本内視鏡外科学会技術認定(大腸)・ロボット支援手術プロクター認定(結腸・直腸)、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、日本ロボット外科学会専門医、緩和ケアの基本教育のための都道府県指導者
専門分野  消化器外科一般、大腸癌、内視鏡外科、ヘルニア、肛門外科
所属学会日本外科学会、日本消化器外科学会、日本内視鏡外科学会、日本大腸肛門病学会、日本臨床肛門病学会、日本ヘルニア学会、日本臨床外科学会、日本緩和医療学会
卒業年度平成15年
名誉院長 嶌原 康行(シマハラ ヤスユキ)
日本外科学会指導医、日本消化器外科学会専門医・指導医、日本肝胆膵外科学会(評議員)、日本臨床外科学会(評議員)、日本医師会認定産業医、医学博士
専門分野    消化器外科、肝胆膵外科
所属学会日本外科学会、日本消化器外科学会、日本消化器病学会、日本癌治療学会、日本肝臓学会、日本肝胆膵外科学会、日本臨床外科学会、国際外科学会(JSC/SIC)、他
卒業年度昭和48年
非常勤医師 川島 雅央
日本外科学会専門医・指導医、日本乳がん学会乳腺専門医・認定医、検診マンモグラフィ読影認定医、乳房再建用エキスパンダー/インプラント実施責任医師、日本乳癌学会ラジオ波焼灼術(RFA)認定術者、日本乳癌学会評議員、医学博士
専門分野     乳癌
所属学会日本外科学会、日本消化器外科学会、日本乳癌学会、日本癌治療学会、日本癌学会、日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会、American Association of Cancer Research、European Society for Molecular Oncology
卒業年度平成17年

患者のみなさんへ

平成23年1月1日より一般社団法人 National Clinical Database(以下 NCD)の外科手術、治療情報データベース事業がはじまりました。
これは日本における手術、治療情報を登録することで、医療の質の向上に役立て、患者さんに最善の医療を提供することを目的としています。
当病院もこの事業の趣旨に賛同することで、患者さんに適切な医療を提供したいと考えております。何卒ご理解とご協力をお願いいたします。詳しくはNCDからの配布資料をご覧下さい。

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臨床研究について